はじめに
練馬区役所内(東京都練馬区)のエスカレーター手すりにゆうどうマーク(※)の施されたUDベルトの運用を開始いたしました。
※ゆうどうマークとは エスカレーターの手すりに約1m間隔で目立つマークを配置することで、利用者に「スピード感の把握」「進行方向の把握」「バランスの向上」を容易にさせ、エスカレーターの転倒事故を未然に防止するユニバーサルデザイン(技術)のこと。 |
今回のUDベルトは練馬区役所本庁-入口そば1階から2階までのエスカレーター2基に施工しました。
練馬区役所では3年前から東京都理学療法士協会と連携しエスカレーター手すりに同協会の啓発文言を掲載しています。
今回はこの取り組みと同時に、同エスカレーターを媒体とした有料広告の募集も行いました。
結果、株式会社ジェイコム東京及び一般社団法人練馬区医師会より応募をいただき、同社の認知を促すデザインを手すりに掲出いたしました。
当社はこの取り組みが、ゆうどうマーク導入のコストを削減するだけでなく、将来的に新しい自治体の財源確保の手段として貢献する可能性も視野に入れています。
今回の実施を踏まえて、関係者よりコメントをいただきましたので記載いたします。
練馬区 福祉部管理課
平成6年に設置された区役所内のエスカレーターは、高齢者や子ども連れの方の利用も多く、過去には高齢者が転倒し、救急車で搬送される事故もありました。 令和3年3月に「ゆうどうマーク」と、エスカレーターを立ち止まって利用する旨の文言を手すりシートに付けてからは、事故もなく、区民の方へのエスカレーターの正しい利用方法の啓発手段として有効に活用しています。 この度、手すりシートの貼り換えに伴い、有料広告枠を設けて広告主を募集いたしました。 東京都内でもエスカレーター事故が多発しています。 練馬区としては、今回の取組みのようにユニバーサルデザインの導入コストを抑えつつ、エスカレーターの正しい利用方法の周知啓発に引き続き取り組んでいきます。 |
公益社団法人東京都理学療法士協会 エスカレーターマナーアップ推進委員会 齋藤 弘 様
本会ではエスカレーター利用における片側空けと片側歩行レーン状態を社会課題として認識し、障がいがある方もそうでない方も安全に乗れる環境化と慣習の再考を目的に2016年より活動しております。 練馬区様とは、当会の活動初期より区内啓発活動や子ども向けイベントなどの開催にあたって協力関係を深めており、練馬区役所内のこのバリアフリーモデルは、大変シンポリックな場でございます。 関東周辺の鉄道駅などでは、右側が歩く人のために空けていることが常態化され、右側の手すりに捕まっていたい方(例えば左手足が不自由な方)にとっては、とても乗りづらい公共物になっております。 今回、バリアフリー機能を有するエスカレーター手すりに、「エスカレーター 止まって乗りたい人がいる」とのメッセージを掲出しております。 止まって乗ることをルールや規制にするのではなく、心のバリアフリーやインクルーシブ教育との高い互換性のなかで、「周りに気づいてもらう」ことの重要性を意図しているものでございます。 高度経済成長下に慣習となっていったエスカレータの上を歩く行為が、多様性を受け入れる寛容な社会への変化の中で、この練馬区からなくなっていくことを願って止みません。 |
おわりに
練馬区は今回、自治体初の取り組みとして、ゆうどうマークの導入と同時にエスカレーター手すりを媒体とした有料広告の募集を行いました。
広告主は練馬区役所内のエスカレーター手すりにて、ゆうどうマークに付随して自社の名前やサービスの認知を高めることができます。
広告主を集めることで、練馬区は、利用者の安全を守りつつ、ゆうどうマーク導入のコストを抑え、広告主は練馬区役所内の利用者に対して自社の認知を高めることができます。
さらに、広告主が増加していくことにより、自治体の財源確保にも貢献すると当社は考えています。
役所庁舎内だけでなく、駅ロータリーから道路の動線として設置されているエスカレーターなど、公共の移動経路として設置し、保有している自治体もあります。
多くの地域利用者に愛される移動補助手段として、この取り組みを推進することで更なる普及を弊社は目指しています。
今後はこの価値観や取り組みに共感いただける自治体や民間企業とともに、この革新的な取り組みを全国の自治体に広げ、多くの人々の生活をより安全で快適なものにすることを期待しています。
練馬区 WEBサイト
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